このコーナーでは、塩原が最近お受けしたご相談の中で、知らないと大変と思うものをご紹介します・・・。
Q FXにかかる税金は???・・・
(2007年8月、東京在住主婦Aさんより)
A 最近,少額資金で外為投資ができるとして,FX取引(外国為替証拠金取引、Foreign exchange)がサラリーマンや主婦等を中心に広く行われているようである。このFX取引は,一定の証拠金(担保)を取引業者に預託し,その証拠金の何倍もの元本があると想定して円と外貨との取引が行われる仕組みとなっており,少ない金額を担保に多額の取引ができるものであるため,一般に外貨預金などと比べて投資効率が高い金融商品であると言われている。このFX取引を行ったことにより利益を得た場合,税務上,雑所得として課税されることとなるが,総合課税される商品と申告分離課税の適用を受ける商品とがあるので注意したい。 20%税率による申告分離課税が認められるFX取引は,金融先物取引法に規定する取引所金融先物取引に該当するものに限られており,現在のところ,これに該当する取引所金融先物取引は,東京金融先物取引所を通じて運用が行われる「くりっく365」のみである。 他方,多くの証券会社等で独自に展開されているFX取引は,所得税の申告分離課税の適用はない。つまり,総合課税となるため,その年の課税所得金額によって15%~50%の税率で課税されることとなる。 ちなみに,FX取引により損失が生じた場合,「くりっく365」であれば損失を翌年以降3年間にわたって繰越控除をすることが認められているが,「くりっく365」以外のFX取引である場合には繰越控除は認められないので,こちらの点にも留意したい。
コメント
新聞やマスコミにも最近よく取り上げられるFX取引、『FXで一日○万円儲ける主婦』などというタイトルの書籍が本屋の店頭に並ぶ。儲けも大きいが損失も大きい、まさに超ハイリスクハイリターンの商品である。そのリスクの中に、税金のリスクも忘れないで入れてほしい。